![]() オススメ し Ciao!! ワインの本、料理の本、イタリアの本・・・・・ 1.「バルバレスコよ永遠に」 2.「イタリア 味の原点を求めて」 3.「イタリア・ワイン」 4. 「ワインの読み方、選び方」 No.1 「バルバレスコよ 永遠に」 エドワード・スタインバーグ著 有坂芙美子 訳 グループ・ヴィノテーク ![]() イタリアワイン界のパイオニア、世界にその名を轟かせるアンジェロ・ ガイアに密着取材した労作。 僕は、イタリアワインの本としてはこの本が初めての出会いでした。文体も 格調高く、翻訳もさぞ大変だったろうに。 この本はピエモンテでは歴史的なビッグヴィンテージになった89年のバルバ レスコ村のガイヤの醸造スタッフにスポットライトをあてながら「畑から生まれ る」ワインの様子を、まるで顕微鏡をのぞくかのような緻密さで描写していきま す(原題はThe vines of San Lorenzo=サン・ロレンツォの葡萄樹)。 ピエモンテワインの歴史の流れとガイアの動き、ガイア前後の世界のワインに おけるイタリアワインの地位などマクロの視点と、葡萄の成長、収穫、醸造の過 程をミクロの視点できっちりフォーカスを合わせているのでワイン界全体の中の ガイア像がくっきりと浮かび上がってきます。 この作品は1992年に書かれ1994年に翻訳されて日本で出版されています。 しかし、この後のイタリアワインの動きは目覚しいものがあり、ガイアを絶対視 できない状況が作り出されてきていることも確かです。。 『イタリアワインが偉大なフランスワインの貴族と同列に扱われることは、イタリ アの醸造家にとっては、アトランタのチームがミネソタとワールド・シリーズで試 合をするようなもので、考えられないことだった』 『ワイン界のメジャーリーグは、ボルドーとブルゴーニュであった』 というユニークな記述がありますがメジャーリーグ同様、イタリアワイン界、世界の ワイン界も激動の世紀末を生きて、その勢力地図も随分様変わりしたように思えます。 僕が、イタリアワインを贔屓目に見てしまうのは、ある程度仕方ないにせよ、「メジャ ーリーグ」たるフランスワインにイタリアが現在限りなく近づいていることは否めない のではないでしょうか。 要は、権威を包囲する「言葉」の問題なのかもしれない。 そして、イタリアワインに権威は似合わないかもしれない。 スタインバーグさんはローマ在住なので、セミナーに何度か参加させていただい たことがあります。そのスタイルは僕が今やっているセミナーの土台にもなっているの ですが、参加者の意見を一つ一つ尊重しながら、ワインをじわじわ推理していく展開 は痛快でした。 セミナーで、こんなことがありました。 ある参加者が、ワインの香りの描写で、「バナーナ!」と叫びました。 (イタリア人は皆元気が良いのです) それは、どう嗅いでも、感じられない、想像もつかない表現だったので一同が「ノォ〜!」 と、大笑いしたのです。するとスタインバーグさん 「あなたが、感じているなら、その香りはありますよ!」 と、真顔で答えたので、その場がまた笑いに包まれたのです。 自分の感覚を刺激するワインはすべて真実です。そんなメッセージがこのエピソードに 含まれると思います。この本に描かれるワインの真実も濃厚かつユーモラス、飲み応え のあるまさにガイアのバルバレスコのようで緻密、それでいてワインを愛する人すべて に開かれています。 イタリアワインの業界で働く方、マニアにとっては必読、そうでない方も挑戦する価値があ ると思います!! ![]() トップへ このページのトップへ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
トップへ このページのトップへ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ No.3 イタリア・ワイン バートン・アンダースン著 塩田正志 監訳 早川書房 ![]() 情報量の多さでは日本で出版されているイタリアワイン本では一番ではないでしょうか。。 そして著者が長年にわたってイタリアに足を下ろし、ワインのみならず 各地方の料理を愛し続けてきたジャーナリストとしての活動がを裏付 ける、含蓄ある言葉が随所に見られて単なるガイドブックの域を 超えて、読み応えのあるイタリア食文化評論、ともいえる本になって いるところがすごい!! 読者ははじめに、「イタリアワイン用語集」「飲用温度」「法律とラベル」 「イタリアワインの解剖学」「ブドウ品種」とウォーミングアップをしながら イタリアワインの世界にゆっくりと近づいていける。 それも単に表面的な情報だけではなく、スタイルはあくまでもジャーナリスト としての客観性と社会性があって導入部だけでもイタリアワインのことが 分かったような気がしてしまうほどだ。 例えば「イタリアワインの解剖学」では・・・ 導入部で 「イタリアのワイン産業はこの四半世紀にこれまで一国のワイン産業 としてはほかに前例がないほどのもっとも劇的な変容を遂げてきた」 ↓ 「その中でもっとも著しい進歩を遂げたのがピエモンテとトスカーナ の赤ワインである」 としてながら・・・ 「しかし、イタリアワインはまだその品質上の持てる力を発揮し始めた ばかりである」 「非常に多くの異なった産地で栽培されている葡萄からこのような多様な ワインが大量に造られるという事実が、国の組織の非効率化を招き、 ある場合には進歩の妨げとなってきている」 と結ぶ。 この当たり、イタリアの地方主義の良い点と弊害についてとても簡潔に 延べられている。 そして・・・・ 「イタリアではカリフォルニアより少し小さい地域で1990年代には年平均 580万キロリットルのワインを生産しているが、これは世界のワイン生産量 の1/5、ヨーロッパ以外のすべての国の合計量に相当する。」 ↓ 「80年代初期は『ワインの湖』と呼ばれるほどの余剰生産を生んだが その後確実に減少し続けて、現在はイタリアの多くの州で上級ワインの 供給が需要を満たすことができなくなってきている。」 ↓ 「こうした危機は欧州連合(EU)の農業政策が近視眼的なものだった ことを証明している。EUは従来からあったワインの余剰分を減らす 目的で、葡萄栽培業者たちに古い葡萄樹を撤去すると共に新しく葡萄畑を 作るのを禁じた事による」 など、知られざる農業政策のあり方などジャーナリスティックな話題を をイタリアの生産性や風土などに散りばめながら非常に立体的に イタリアワイン界の現在を伝えてくれるのです。。 「なんだ、ちょっと堅苦しいな・・・・」 といわれる方には向かない本です。 適当な「オシャレな道具」としてだけでワインと接している人にも向きません。 なんたって、この中身の濃い導入部の後に、イタリア全20州のありとあらゆるワイン 様々な個性を持ったワイナリーについて”これでもか!!”と言わんばかりに 星の数ほど触れているのですから。 「マニアック系」な方には溜まんないでしょうね。 それにイタリアレストランやこの種の業種の方には必須アイテムです。 だって、こんなワインあったっけ!?というような聞いたことのないワイン、 イタリアでしか見たことのないようなラベルのワインについてもちゃんと載って いるのです。 「珍しいワイン」みたいな感じでイタリアでワインを仕入れて来られた人 なんかも、調べれば載っている可能性大だと思う。 このサイトの「味覚ラボラトリー」でルケ・ディ・カスタニョーレ・モンフェラートという 長い名前のワインを紹介しました。とっても個性的なワインで、「ぶり大根」と合わせた 味わいがまた素晴らしくて僕は大絶賛しました!!(興味のある人はコチラ)僕は、実は このワイン、イタリアで飲んだことありませんでしたが、昨今の日本ではそんなローカル ワインがちゃんと手に入るんですねぇ!!で、このガイドブックで調べるとちゃんと 載ってるんです。 Ruche di Castagnole Monferrato ルケ・ディ・カスタニョーレ・モンフェッラート (すべての名称にちゃんとイタリア語の表記が付きます。カタカナ表記もイタリア語の 発音に非常に忠実です。例えばMonferratoは、日本では普通「モンフェラート」と 書くのですが、ここでは「モンフェッラート」とRRの発音でしっかりと巻き舌に して発音する様子がちゃんと示されてる。イタリア語の表記に無頓着かつ 無神経な本が多い中、これは素晴らしい!) 「カスタニョーレ・モンフェラートの葡萄園で生育するルケ、ロケ、ルシェ などとして知られる神秘的な起源の品種から造られる珍しい、また比類 ない赤ワイン。数少ない生産者たちは花盛りのブーケを持ったルビー/ヴァ イオレット色の若々しいタイプのワインを造ろうとしている。しかし、スカルパ Scarpa社のvdt、ルシェ・ブリッコローザRouchet Briccorosa(☆☆☆)は標準 的なものより構成がしっかりしていて4-5年で独特な優雅さを見せる。」 「いいワインだなぁ」と思って、ガイドブックを見たらちゃんと載っていて、しかも 自分と同じ意見でジャーナリストが書いているのを発見すると何だか嬉しくなる ものです。「あ、バートン・アンダーソンと同じだ!」って。単なるミーハーですが・・。 まぁ、上のワインに対するコメントにもあるように初心者の方が見ると 面白くとも何ともないかもしれないですね。ちょっぴりワインのことが 分かりだして、これからイタリアワインを飲み込むぞ!と意気込んで いたりする変わった人には絶対薦めます。ありとあらゆるDOC/DOCG 等の生産地域が地図に載ってますし、品種構成、醸造法、土地柄や 近年のトピックスに至るまで端的に簡潔に書かれています。 地方ごとの歴史や料理についての解説、またその地方の美味しいレストラン 情報、イケテルワイン屋さん情報もありますので、これを片手にイタリアの 地方を旅行されるのも最高かと思います。この本があればどこにでも行けます。 イタリア好きの人にもかかせませんねぇ! それほどこの本は、冒頭で伝えるイタリアワインの俯瞰的な部分と 非常にディテールにとんだイタリアの地方性の深さを冷静に実写した 本といえるのではないでしょうか。 。 この本の欠点を挙げるとしたら敢て2つ。 1.字か小さいこと ワァ!見にくい!2.前編白黒。地図以外一枚の写真もないこと 目に優しくないネ!もうちょっと「売るための工夫」が欲しいところですけど・・・ 価格的に言っても「買いたい人が買いなさい!」みたいな感じです(^^;) ![]() イタリア・ワインハヤカワ・ワインブック トップへ このページのトップへ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ No.4 ジャンシス・ロビンソンのワイン入門 ワインの飲み方、選び方 ![]() ワインを視覚→嗅覚→味覚でとらえ、それを自分の主観を大切に 表現してみる。そしていろんなワインを比べ、自分の感性を刺激する ことによって、ワインの味わいの差を、ヴァリエーションの違いを見分け られるようになる。それは、まさに自分の感覚を発見していく過程そのもの なのですがこの本は、その楽しさをストレートに伝えてくれます。 このHPの「味覚ラボラトリー」の下地になっている本でも あります。つまり、自分の感性を壮大な実験室である、ととらえ、果敢に ワインをテイスティングしていく。その主なワインは9割がたフランスですが、 タイトルにあるとおり、飲み方、選び方、または描写の仕方、など彼女の描写 が具体的な例として表現されているので、初心者にとっても 「あ、こういう比べ方があるのか!」 「なるほど、酸の出方が違うんだ!」 とか、様々な気づきのきっかけになってくれます。そこは素晴らしいです。 例えば、最初の「実験」で目隠しをして白ワインと赤ワインを 「嗅ぎ分けられるか?」というやつがあります。 一度僕のセミナーで参加者に試していただいたことがありますが、皆さん 優秀な方なので誰一人間違う人はいませんでしたが、それでも最初は 首をかしげて「ん〜どうかなぁ・・・・」って、迷うんです。それって、我々の 感覚が如何に「視覚に依存している」または「嗅覚をなおざりにしている」かを 伝えてくれるものなんですよね。 こうした「自分自身の感性に訊く」実験がたくさん散りばめられているので 毎日が実験の繰り返し、楽しくなってきます。 残念なことが、二つ。 1.英国人なので実験材料としての食材が必ずしも我々の日常食と合致しない。 2.日本語版初版出版は98年ですが、言語版は83年なので描写が70年代のもの が大変多い。あまりに古いから現在そのワインを試すことは実際に不可能だし スタイルが著しく変わっている場合も考慮しなければならない。 そして、これは必ずしも残念なことではないけれど、僕の感性とは随分 違うんですよね。例えば、イタリアワインの記述では、ピエモンテの代表品種 ネッビオーロについてこんな描写があります。 「シラーとネッビオーロは、匂いで間違うことはありませんが、見た目とキメには いつも混乱させられっぱなしです。ネッビオーロは、タンニンを多く含む葡萄なので 出来るワインもタンニンレベルの高い、大変色の濃いものになりますからね。」 とあります。 面白い事に僕はネッビオーロを色の大変「薄い」葡萄だと思っています。 色が薄いので、味わいがひ弱だと思っていると、爆発的なタンニンと酸に 卒倒する、それがネッビオーロの面白さだと思うのですが・・・・。それにこの方 「ネッビオーロは”フルーティーな”ワイン」と形容されている。僕の感覚だと 「どこがやねん!」と思ってしまう。この当たりにも時代的な違いがあるのかもしれません。 実際バローロは色の比較的色の薄い薄い80年代ヴィンテージを経て、90年代 後半、気候的な安定化(つまり温暖化なわけですが)と、新しいスタイルの流行 から非常にどす黒いバローロが多く生まれています。 そう考えると、この30年間がイタリアワインにとって目まぐるしい変化の時代 だったことが伺えます。消費する側と供給する側のパラダイムがそれぞれ 変化したのです。ジャンシスさんも言われています。 「イタリアよ、目覚めよ!ついにお前の時が来たのです!」と。 イタリアワインに関する情報は貧弱ですが、それでも味覚に関するこれほどまで 細やかな情報は他の追づいを許さないという感じがします。彼女も最初に 延べられています。あまりに至極当然な事を素晴らしく簡潔に言い表されているので ちょっと長くなりますが引用します。 『食べたり、飲んだり、毎日当たり前にしていることなのに、私達が なんにも知らないのにはまったく驚かされます。飲食後、ものが消化 器系に入ってから体に悪いことととはなんなのかをお医者さんは口を 酸っぱくして注意しています。 けれども、消化活動に先行する大切なステップであるはずの、味わうと いうことについては、残念ながらまったくといっていいほど注意が払われ ていません。少しばかりの味の感じ方がおかしいぞと思っても、大騒ぎ するほどのことだとも思われませんし(もちろん私にとっては絶体絶命の 深刻な問題なのですが)、じっさいのところ医学の専門家の方々は、 ものの味わいということにあまり関心もないようです。イギリスの味覚に 関する専門家の居場所が、医学部でも心理学部でももなく、食料科学科 であるという事実からも納得していただけますよね。 心と体が複雑に影響を及ぼしあって、味覚が形づくられていく不思議を、 専門家の先生方でさえ驚くほどご存じないのですから、毎日飲んだり 食べたりしていても、私達が、味わう事に付いて、ほとんど知識がない というのもしようがないのかもしれません。心底、食べたり飲んだりする ことを愛しいと思う方(現代のカロリー万能、食いしん坊の肩身が狭い 社会では、かなり勇気のいることです)でさえ、味わうと言う不思議に ついて、ほとんどお手上げの状態なのは変わりません。 例えばあなたが、チョコレート・ケーキ、スモーク・サーモン、はたまた ボージョレのワインがお好きだとしましょうか。これらのものを前にして、 普通考えられる行動はただひとつ・・・・貪る、・・・・・・・・・・学術的に いえば、最短時間で(味覚系を通り越し)たっぷり消化器系に送り込む ことだと思います。 でもこの基本路線以外に、食べ物をよく噛むと味が良くなるということや、 ワインを飲むときも、口の中に充分染み渡らせてあげると、味わいが ぐっと増すことも、なんとなく気づいているのではありませんか?そして、 このなんとなく知っているということの中に、実は味覚の不思議をつかさ どる本質が潜んでいるのです』 ん〜!大納得! そんな彼女の著書ですから、味覚に関する情報、描写は初心者の方にも 分かりやすいはず。そしてそんな彼女の味覚ゲームで遊んでたら、 「あら!ワインが分かってきた!!」 なんて感覚になっちゃう!!魔法のような本です!! このサイトにこれらた方、すべての方にオススメです!! ![]() ワインの飲み方、選び方―ジ... トップへ このページのトップへ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |