ウオ!猛々しく隣の枝にからむ蔓!


   ブドウ畑へ! No.18   2007年7月15日(日)

  テーマは、「副梢整理」「巻き蔓除去」「誘引」そして「摘房」


  毎日雨続きの、梅雨真っ盛りの神戸ワイナリーです。

  温度がそれほど高くないとはいえ非常にしっかりとしたジメジメ感を
  Tシャツと身体の間に感じながらの神戸ワイナリーのワイン城に
  入城しました。

  前日からの悪天候をそのまんま引っ張ったような天気でしたが
  台風は紀伊半島から関東、東北のほうに抜けてくれて、、幸い
  雨は降っていませんでした。

  (滋賀県の朝は快晴の空が、一週間ぶりぐらいに見えました)



  

  醸造課長の高坂さんに、畑に行く前にワイナリーにご案内
  いただきました。畑とは逆方向に位置するために、随分久しぶり
  の印象を受けました。


  2機並んだ前発酵のタンク横のシャッターがおもむろに自動で開放
  されると中の冷気がどっと押し寄せてきます。


  

  中の気温は9〜10℃で、写真も良く見ていただくと発酵タンクの
  壁面を冷却水が伝っているのが見えるでしょう?


  今回テーマにされた試飲は、「フレンチオークについて」です。

  


  まずは、白からのテイスティングです。06年ヴィンテージの樽内発酵。

  実験中のワインです。

  RMS−2というシャンパーニュで使用されいる酵母を使い、6ヶ月樽内
  で発酵させたシャルドネです。

  シャンパーニュ用の酵母と言う事は、ガスの量を多くする酵母という
  ことがいえるそうです。

  現在、昨年初めて挑戦できた貴腐ワインでも使用されているそうです。


  テイスティングワインですが・・

  色は薄い緑を反射した黄色ですが、その柔らかなインパクトに比べると
  実に綺麗なしっかりとした果実味を感じさせる香りです。

  最初にフレッシュでみずみずしいマスクメロンを感じさせる果実の香り。
  時間と共にトロピカルではなくりんご系の香りが出るところが綺麗です。

  樽香は薄く、ややナッツの香りは呈していますが、完全に裏方です。

  余韻にまったりとした苦みを残すのですが、高坂さんいわく

  「これが酵母の苦みやと思うんですわ。これから先どう変化するかは
   誰にも分からないことですけど、この酵母を使うのは止めとこうと
   思っています」



    
   @                 A                B


  樽からテイスティング用のワインを抽出するときの作業も興味深いです。

  @ アルコールを樽の穴周辺に散布して雑菌を排除します。

  A シリコン質の栓をムギュムギュと取り出します。

  B ワインを大型スポイトで取り出します


   
     C                D

  CD 再び再びアルコールを散布してキャップをし、水ですべてを
      洗い流します。

  我々にワインをサービスしてくださるだけでも、一手間かかるんですね。
  菌と対峙しながらの繊細な仕事であることが分かります。

  
  さて、テイスティングに戻りましょう。

  次は赤ワインの飲み比べ。今回は実に奇妙な比較テイスティングでした。

  二つのバリックが(フレンチオークの小樽)には、同じ06ヴィンテージの
  同じワイン、メルローとカベルネのブレンド。何を比べるのかと言うと
  同じ規格で購入した二つのバリックでの熟成具合の違い!!

  普通、同じ樽なのだから同じ味だろうと、何も疑わないのですが 
  比べてみて、その違いにびっくりしました。

  一つ目が、ワインの野菜香が際立ち、樽香もやや浮いた印象を
  与えるのに比べて、二つ目は果実味がこなれて、樽香もうまく
  結びついています。

  味わいも一つ目のタンニンが猛々しく粗い印象を与えました。

  これが同じ規格、同じ値段で購入した樽だといえるのでしょうか!?

  「おそらく一つ目の樽は、やや木目が粗いんやと思います。木目が
  粗いとタンニンも強く出ますから」と高坂さん。


  これだけの個体差があると、やはり最終的な味わいを決定し、その
  イメージ通りにワインを作り上げるのは相当な熟練を要するのでは
  ないかと察します。



  

  次のテイスティングはメルロー100%、これも実験で造っている
  内部を焼いていないブランデー熟成用の樽です。

  平成6年に購入した樽で、ここ3年ほど使用していなかった
  樽ですが、

  「来年からはこの樽で樽内発酵をさせてみようと思っています」と
  高坂さん。


  

  テイスティングを終えて畑に向かう途中の圧搾機です。
  まるでボーイング○○○という感じで壮大です。

  でも注目して欲しいのはこの写真の左下の溝と青いホースの
  間に沿って生えている緑の植物達です。わかりますか?

  これ、品種は何かは分からないのですが、ブドウだということです。

  発酵、圧搾して廃棄される際にぽとりと落ちたものでしょうか。
  
  誇大な近代的装置とは対照的な可憐さです。

  

  熟成庫にフランスから到着したばかりのバリックがある
  と見せてくださいました。


     

  MとAとありますが、Aがアリエというオークの産地名。
  Mがミディアム・トーストという意味です。

  内部の香りを嗅がせていただいたのですが、内側をロースト
  してあるだけあって、焦げ臭もあるのですが、支配しているのは
  やはり木材の香り。

  できそこないの樽熟ワインをすぐにイメージしました(^^;)
  樽香が浮いているとき、ブドウに果実味がないのに樽熟
  させてしまったワインにある臭いです。


  

  台風一過とあって、はるかかなたまで綺麗な空がワイン城から
  見えました。

  未だに信じがたいのですが、はるか向こうに見える山々は
  「小豆島」だそうです。

  こんなに近いものなんですね。

    

  実験畑を通り抜けました。まだ2歳になったばかりのピノ・ノワールです。

  777というクローンで、某有名ブルゴーニュワインと同じクローンだとか。
  樹によって大きな房をつける樹、小さな房をつける樹があるので
  小さな房をつける樹を選別して、これを接いで、将来のより選別された
  ワインにとって良質の樹を残していくそうです。



    

  左の写真、手前の葉と奥の葉が微妙に色が違うでしょ?

  手前がピノ・ノワール、後方がグルナッシュです。グルナッシュは
  フランスの南方系の品種ですが、葉が薄いだけ色も薄くなります。


    

  左は、現在棚仕立てで育てられている日本の品種「ふじみのり」
  だそうです。

  「お客さんに、ここで弁当を食べてもらいます」
  と高坂さん。ご愛嬌ですね。

  左の写真は、ソーヴィニョン・ブランの実験枝。


  「これも、お客さんが食べてくれはったらいいんですわ」


  ・・・・って、実に遊びが多い(^^;)
  そういう内実を知ってて、この農業公園内を歩いていたら
  微笑が絶えないのではないかと思ってしまいます。まさに
  ブドウワールドです。

  

  やや雲の広がってきたカベルネ・ソーヴィニョンの畑にようやく到着!

  

  最初に本日の工程のお手本を見せてもらいます。

      


  摘房は、大きくなりすぎた房をカットして、小さな房にする作業。
  いわゆるグリーン・ハーヴェストです。


    

  長くなりすぎた枝はカット。猛々しい部分では副梢がまるで結果母枝の
  ような顔をして、偉そうに伸びきっておりました。そういう輩はすぐに
  カットです!


  

  摘房して、落とされた房の一部。
  ごめんなさい!これも美味しいワインを造るためです。


  

  一瞬、晴れ間が見えてきました。この時は暑かった!!

  

    

  この日、手入れをしたタキスとヴェルディ。

  2時間近く作業しましたが、せいぜい2本・・・なんという骨の折れる
  仕事か!ずっと、腕を上げての作業なので、三角筋が何度も
  張って、腕を下ろさなければなりませんでした。


  

  摘房しておとされた粒々。これはそのまま放置されて
  夏の肥やしになります。


  

  左がヴィーテ・イタリアの列。手前2〜3本しか着手できません
  でした。あとは、神戸ワイナリーさんにお任せです(^^;)

  お情けないというか、申し訳ないというか、もったいないというか

  こういうとき、所詮は部外者なんだという思いが強くなります(^^;)
  (部外者なんですけど・・・)

      

  我々の平行線のラインで、病気に罹った樹を見かけました。

  葉の色が薄く、房はすでに色づいて、しわしわになっていました。

  どいつもこいつもが、健全に成長し、ブドウを実らせるわけじゃない
  んですね。人間と全く同じ。これが自然の摂理なんでしょうね。


  

  曇り空、ジメジメの空気で充満した神戸ワイナリーでしたが
  素敵なテイスティング、ハードな作業を終えて、僕の心も充実感で
  充満しておりました。


  梅雨を越し、本格的な夏が始まれば、ヴェレゾン(色づき、イタリア語
  ではインヴァイアトゥーラinvaiatura)が始まり、今年のブドウの質を
  緊張感たっぷりに見守る季節に入ります。


  我々は次回、ブドウ畑を巡り、畑ごとのブドウのテイスティングを
  して、その味わいの違いを実感し、神戸ワインを満喫したいと
  思います。

  いいですか!?
  ワインではありません。ブドウのテイスティングです(^^)

  これが本当に面白いんです!まだ一度も着たことのないあなたには
  絶対にお勧めです!

  畑が違えば、ブドウも違う。ブドウが違えば、ワインも違う。
  この当たり前の理を体験しましょう。

  「畑でブドウテイスティング!」は8月12日(日) 10時〜13時です!
 
    
  「ブドウ畑へ!」全レポート
   第一回 2005年5月 はじめての「ブドウ畑へ!」
   第二回 2005年6月 副梢整理と誘引
   第三回 2005年7月 ブドウ畑について尋ねる
   第四回 2005年8月 色んな畑のブドウをテイスティング
   第五回 2005年9月 発酵、圧搾、そして収穫!
   第六回 2006年1月 アッサンブラージュと剪定
   第七回 2006年3月 接木&青空テイスティング
   第八回 2006年5月 芽かき&醸造現場テイスティング
   第九回 2006年6月 誘引、巻き蔓除去、先端カット、副梢除去、花カス除去
   第十回 2006年7月 酷暑の中の誘引、まきづる除去 パート2
   第十一回 2006年8月 畑巡り&ブドウテイスティング
   第十三回 2006年12月 『グラン・クリュ大沢(オオゾ)』へ
   第十四回 2007年2月 2006収穫ワインのアッサンブラージュ
   第十五回 2007年3月 冬季剪定&接木
   第十六回 2007年5月 芽かき
   第十七回 2007年6月 副梢整理、巻き蔓除去、誘引
   第十八回 2007年7月 副梢整理、誘引、巻き蔓除去、摘房


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