イタリアブドウ列伝

 イタリアの代表的葡萄から超ローカルな土着葡萄まで、ご紹介していき
 ます。葡萄品種の特質を知ることによって、その土地の風景から、その
 生産者の思い、ワインの味わいの世界までもが見えるようになります。


  No.14  シャルドネ   chardonnay

同義語:ピノ・シャルドネ、モリヨン、ボーノア、ヴェイサー・クレヴナー、ガメイ・ブラン
歴史:1903年にモンディーニが著した「イタリアにおける外来品種」という本の中でピノの系列からは外されていたにも関らず、近年までピノ種の一種と考えられていた。ブルゴーニュのヴィニュロン(ブドウ栽培家)たちはすでに前世紀初頭に「シャルドネ」と認識していた。イタリアでは上記のように1978年の省令で登記されていた。主にシャンパーニュ地方、ブルゴーニュ地方、イタリア北部全域で耕作されているが、今や中部や南部にも広がっている。国際品種として認識され、全世界での評価をほしいままにしている。
特徴:中位の葉、全体的に波をうって、すべすべしている。
房は中ぐらいから小型。コンパクトに締まっていて筒状で円錐形、翼の部分はあまり強調されていない。
粒は小さく球形で皮が薄い。蝋粉が多く、色は黄緑色である。
樹勢: 中ぐらい
生産性:良。   
成熟: 非常に早熟で8月の中旬    
◎「ワイン用葡萄ガイド」(ジャンシス・ロビンソン著)からの抜粋
Chardonnay

シャルドネはプーリアからピエモンテ、そしてフランスとの国境にあるアオスタに
至るイタリア全土で栽培者たちに魔術を施してきた。アルト・アディジェのシャルドネ
が1984年にDOCワインとして初めて認可された。

今では、イタリアのシャルドネは多く栽培され、フリウリ、トレンティーノではしばしば
特徴に欠けるワインを生み出し、そしてヴェネトの限られた地域では主にソアーヴェの
ガルガーネガにブレンドされている。

フリウリとトレンティーノの好条件の地区では優れたワインを造っているところもあるが
かなりの量がスパークリングワインに使われている。イタリアで最も野心的なシャルドネ
のスティルワインはかなりオーク香の強いものである。

トスカーナ地方のサンジョヴェーゼが熟さない地区や、ピエモンテ地方では販売するのが
難しいドルチェット植え替えられて、シャルドネの作付け面積が急激に増えている。


◎ヴィーテ・イタリア高岡的見解

調べてみたところイタリアでシャルドネの栽培が認められていない州はたった2つ

どこだと思いますか?

それは、リグーリア州とカンパーニア州でした!!パチパチパチ!!

資料には北イタリア全域が栽培地域とありますが、文字通り極北の地区である
アオスタ、アルト・アディジェ、そしてフリウリなどはシャルドネを数世紀にわたって
耕作している言わば「伝統品種」なわけですね(緑色の地区がシャルドネ伝統地区)


 緑の地域がシャルドネの耕作の伝統地区

 左からアオスタ渓谷州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州、そして
 フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州。

 赤の州がシャルドネの栽培が認められない地区。

 共通点は、中世以来の海洋都市国家があったこと、でしょうか(^^;)
 (ということは、トスカーナのピサは撃沈ですね^^;)


 僕なりに推察してみたのですが、カンパーニアは比較的簡単です。
 なぜなら、シャルドネに頼らなくてもよいブドウ品種が明らかに複数
 存在している
からです。

 フィアノしかり、グレコ・ディ・トゥーフォしかり、ファランギーナ
 コーダ・ディ・ヴォルペ、ビアンコレッラ・・・・

 立派な白ブドウ品種が存在しています。
 これは国際品種に頼らなくてもよい地盤ができているということです。

 ああ!さすがはカンパーニア!惚れ直しましたよ!!

 この地区の牽引役でもあった頑なな伝統主義者マストロベラルディーノ社の
 影響もあったことでしょう。

 いずれにせよカンパーニア州にシャルドネは必要ない!!
 これは、確認しあいましょう(^^;)



 問題はリグーリアです。

 土着品種としてチンクエ・テッレのブドウ、ボスコ、ヴェルメンティーノ、そしてアルバローラ
 の存在があるのは分かります。

 その他の白の栽培地区で見ると、やはり土着の立派な白ブドウがありました!!

 ピガート種です。

 リヴィエーラ・リーグレ・ディ・ポネンテDOCの「ピガート」として醸造されますが
 これはしょっぱくて個性的なワインです。リグーリアのDOC

 気候的、また土壌的な条件としてシャルドネに向かなかったのかなど検証の
 余地はありますが、いずれにせよシャルドネがまだ入り込むことのできない地区が
 イタリアに存在することを喜びたいと思います(^0^)

 シャルドネのイタリア進出は紛れもないグローバリズムです。
 それから頑なに自らのアイデンティティを守ろうという生産者の強い意識が
 ないかぎりシャルドネはいとも簡単に進出できます。


 それほど生産性とワインの質のバランスが優れているということ。


 ところがここにひとつのパラドクスがあります。


 自らのアイデンティティが明確になるのは他者の存在との比較によってしか
 成立しない、
ということです。

 そして世界に向けたワインのマーケットにおいてはシャルドネと自らの土着の
 ブドウを比較させることが最も自分の土地のワインの個性を際立たせることに
 なる。

 例えばシチリアのシャルドネと土着ブドウのプロカニコ。

 同じワイナリーの同じラインで比較すると両者の個性が際立てあってわかり
 やすい。それは同時に「売り易い」ということになる。

 

 そして、もう一つのシャルドネの個性についても言及しておく必要があるで
 しょう。それは・・・

 生産されるブドウ畑の個性を表現する媒体になりうる

 と言う点です。


 シャブリ、モンラッシェ、ムルソー、コルトン・シャルルマーニュ・・・

 一流のシャルドネを味わえば感じられるでしょう?それはワインと言う名前の
 ついた畑を(それを”大地を”というとあまりにも叙情的でしょうか)表現する
 媒体なのです。

 このレベルを狙える位置にあるイタリアの土着白ブドウは今のところ皆無で
 しょう。唯一、同じレベルで並べるのはヴァレンティーニのトレッビアーノ・ダブ
 ルッツォぐらいでしょうか。

 フリウリの幾つかの土着ブドウもその域にあるかもしれませんが・・・主流は
 なんといってもシャルドネやソーヴィニョン・ブランです。。

 とすると、イタリアにおいてもこのワインの究極の洗練味を表現するのは
 シャルドネということになります。

 本当に見事なシャルドネは今のところ僕の中ではピエモンテにあると
  考えています。

 アルト・アディジェもフリウリも立派です。

 それでも「畑の媒体」として存在しうるシャルドネはピエモンテにある。

 そういう域にあるシャルドネをご紹介しましょう!!


 ガイア&レイ 1998 ガイア&レイ 1998

 ん〜万払ってモンラッシェ買うくらいなら、絶対にガイア&レイ!!
 そういうご意見を良く聞きます。緻密で繊細・・・ほとんど神がかった
 ような香味です。王者ガイアの白のトップです。絶対に一度は飲もう!

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 ベルテッリ・ジャローネ・ピエモンテ・シャルドネ 2001年 ジャローネ 2001

 コストパフォーマンス未だに高いですね。非常にパワフルなシャルドネ
 ながら香りの複雑味とフルーティーさのバランスが凄すぎます。余韻に
 いたるまで「これでもか!」というぐらいのアピール度です!

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 アルド・コンテルノ・プリンタニエ 2003年 プリンタニエ 2003

 僕の敬愛するアルド・コンテルノのシャルドネです。モンラッシェタイプの
 ブッシャドールというのもありますが、僕はこのプリンタニエを高く評価して
 います。ピエモンテ独自のテロワールをプンプンと匂わせてくれるステンレス
 タンク熟成のシャルドネです。

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 ロッシバス[2003]/GAJA ロッシバス 2003

 ガイアのワインなら何でも飲むべき!というレベルなんだけどこれは本当に
 わかりやすいエレガントさがあります。フルーティーで実にチャーミングな
 酸がある。確かにシャルドネ×バリックですがガイアの面目躍如たる格が
 しっかりとあります。高貴です。

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