イタリア葡萄列伝
 
 イタリアの代表的葡萄から超ローカルな土着葡萄まで、ご紹介していき
 ます。葡萄品種の特質を知ることによって、その土地の風景から、その
 生産者の思い、ワインの味わいの世界までもが見えるようになります。


  No.7  ガルガーネガ  Garganega

同義語:ガルガーネガ・ディ・ガンベッラーラ、オーロ
      ドーロ、ガルガーネガ・コムーネ
歴史:ピエール・デ・クレシェンツィの「大農業書」ですでに引用されているほか、多くのブドウ樹学者によって研究の対象にされてきた。ヴェローナやヴィチェンツァ地区、またコッリ・エウガーネイ地区に広く分布する。
特徴:中位の葉、五角形で表面は不毛状態。色は明るい緑色で少し泡のようで暗い色にもなる。房はとても大きく、ピラミッド状筒型、翼を広げたような形でかなり粒と粒の間隔があいている。粒は中ぐらいで球形で皮は薄い。色は緑と黄金色が混ざった色で蝋粉が多い。
樹勢: 著しい 
生産性:大量で一貫性がある    
成熟: 9月の後半が収穫時期 
    


◎「ワイン用葡萄ガイド」(ジャンシス・ロビンソン著)からの抜粋
樹勢が強く、多産でしばしば過剰生産する品種。イタリア北東部ヴェネト州で
栽培されている。最も有名なワインはソアーヴェで、そのブレンドの70〜100%を
構成し、いばしばトレッビアーノ・ディ・ソアーヴェを加えることによって味をシャープに
仕上げていたが、最近ではますますシャルドネや他の輸入品種によって丸みを出す
ようになっている。

 収量を調整している地帯の中心部では、この品種はレモンとアーモンドの香りを持つ
良質のデリケートなワインを造ることができ、ソアーヴェの名声を上げている。

この品種はガンベッラーらでも栽培され、現に、ガルガーネガ・ディ・ガンベッラーラは
最も重要な亜種である。ガルガーネガはヴェネトで非常に長い歴史があるため、開発
された無数のクローン、亜種(大半は平凡な変種)を持っている。ビアンコ・ディ・クス
トーザ、コッリ・ベーリチ、コッリ・エウガーネイといったほかのワインにも重要な役割を
果たし、フリウリやウンブリアではかなり限定された地区に栽培されている。この品種
はイタリアで5番目に重要な白ブドウ品種で、1990年の総栽培面積は13000haあった。
◎ヴェネト州の主にガルガーネガ種を使用するDOCワイン

 
↑ ウィキペディア ヴェネト州    

◎ヴィーテ・イタリア高岡的見解
「ガルガネーガ」ではなく「ガルガーネガ」です(^^;)。

1960〜1970年代のアメリカにおける辛口白ワインブームの中心的役割を
果たしたのが、このガルガーネガ種で造られる「ソアーヴェ」です。

ただその他のイタリアワインの例に漏れず、それは大量生産系のソアーヴェ
で、当時の「薄い」ソアーヴェの汚名を返上するまで、ヴェローナのまじめな
生産者は「十字軍の戦い」的な熾烈な80年代を生きることになります。

一口にソアーヴェと言っても大きく二つにわけることができます。

←これは、上の地図のアップです。
左にヴェローナ、右にヴェネツィア。
ヴェローナはヴェネツィアとミラノのちょうど
中間地点にあると考えると土地感が
ちょっとはわかるでしょうか。
 薄い緑がソアーヴェ
 濃い緑がソアーヴェ・クラッシコ


 クラッシコって他のいろんなワインの銘柄に使用される言葉ですが
どんな意味合いがあるんでしょう。

 ここで、この地区の御大に登場いただき、クラッしコの意味とガルガーネガ
の里「ソアーヴェ」地区の成り立ちについての僕のインタヴューを掲載します。

 彼はソアーヴェ・クラッシコの重鎮ですね。このガルガーネガ種の潜在能力を
早くから信じてその果実味をワインに表現することに成功し、シャバシャバ
ワインとして名の通っていたソアーヴェの名前を「品質の高いワイン」として
世界に認めさせた方です。

 レオニルド・ピエロパン氏

高岡(以下高) : ソアーヴェの歴史について簡単にお話していただけますか?

ピエロパン氏(以下ピ):1931年に初めて政府から認定されていますが
 DOCとしての認定は1968年です。この時点で丘陵地帯としての
 ソアーヴェ・クラッシコ地域とその他のゾーン、ソアーヴェが区別される
 ようになりました。  クラッシコ地区は約1300ヘクタール。ソアーヴェは5000
 ヘクタールの面積を持ちます。

 : クラッシコ地区は丘陵地、ノーマルなソアーヴェは平地という差
     だけなのですか?

 : 圧倒的にブドウの質に差がでます。クラッシコの丘陵地帯は火山質と
    凝灰岩質でミネラルがとても豊富です。一方平地は砂質と粘土質が混ざって
    いてとても肥沃で、生産性に優れていまうが、その分質が低下します。


    ソアーヴェ地区は1930年代以前はほとんどが、とうもろこし、小麦 、タバコ、
    砂糖大根などが耕作されていました。その後、ブドウの木を 植え替えていった
    のです。   

   一方ソアーヴェ・クラッシコ地区は文字通りローマ時代からの歴史が ある
   畑も存在します。

 : 丘陵地のクラッシコとと平地のノーマル・ソアーヴェではワインの
    味わいにどんな差がでますか?

 : 丘陵地は、日当たりが良くなります。また平地と違って棚を張り巡らす
     こともできませんし、雨も地中に蓄積しませんからおのずと収穫量も
     少なくなります。収量をおさえることはブドウの質向上につながります。

    一方平地では、大量生産されますからブドウの味が薄められ
      結局は凝縮感のない、薄いワインができます。
ですから少なくとも
     二つのソアーヴェが存在すると考えてください。

    一つはキャラクターのない、ニュートラルなソアーヴェ。
    残念ながら、こちら ソアーヴェの方が有名なのですが・・・・     

    もう一つは、エキス分の高いソアーヴェ・クラッシコ。個性がはっきりと
    現れ畑ごとの性格がワインに表現されます。

 : この二つのソアーヴェが同じ規定の中にあるのは問題ないですか?

 : かなり無理があるでしょう。平地のソアーヴェはいわば商業的な事情
    からできた産地
であって、クラッシコとはまったく違います。また最近
    ソアーヴェ・スペリオーレがDOCGに昇格しましたが、あれも商業的な
    アプローチによって生まれた銘柄といっても良い
。アルコール度が
    数パーセント高いだけで、丘陵地のワインと平地のワインを同じグルー
    プに入れることは不可能です。だから私のワインは
DOCには入らないのです。

 : ただその質が高いというソアーヴェ・クラッシコもすべてが高品質とはいか
    ないようですね。
 : 残念ながらそのとおりです。おそらく95%のソアーヴェ・クラッシコが
    カンティーナ・ソチャーレ(共同組合ワイナリー)のワインで、残る
    5%が自社畑からワイン作りまでを行う生産者によるソアーヴェです。

    ピエロパン社は33ヘクタールすべてが自社畑で、これで最大級の
    規模になります。

    その5%の中でも優秀な生産者はせいぜい15社ぐらいでしょう。


 : トスカーナの様な他州や外国からの資本進出とかもあるのですか?
 : 幸運にもソアーヴェ・クラッシコ地区にはそのような動きは全くありません。
    我々は皆土地に根ざしてきた者ばかりです。ただ構造上の不幸はあります。

    それは、
ほとんどの農家がブドウ作りを副業として営んでいることです。
    それぞれのブドウ農家はおそらく1ヘクター ルにも満たない畑を所有
    していてカンティーナ・ソチャーレと契約していま す。

    この規模で、カンティーナ・ソチャーレにブドウを売って、経済的に家庭を
    支えていくことは不可能です。だから、土地を売って都会に出て行くほど
    ではありませんが、
ほとんどの農家、それも若者たちでさえ、工場で働き、
    その片手間でブドウを栽培 している、というのが現状なのです


    そういう農家では、ワイン文化を深めるとか、ワインの味わいの質向上に
    対する意識が低くなります。 小さな生産者がまとまることもなく、ただ漠然と
    ブドウ作りをしていては明確な目標を持ったワイン作りをすることは非常に
    困難です。これは社会構造上の問題です。

 : ピエロパンさんは、そうした中にあって、はじめて質的に高いソアーヴェ
    クラッシコを作ったパイオニア的存在だったんですね。
 : そのとおりです。ピエロパン社は私の祖父の代から質にこだわり続けて
    いる唯一の生産者です。1960年以前、そのような生産者は全く
    いませんでしたから。

    1980年代になって、ロベルト・アンセルミが質的に優れたソアーヴェ・
    クラッシコを生産し始めますが、それが私たちに追随した初めての例
    といっても良いでしょう。



 ガルガーネガの故郷ソアーヴェ地区の近代史が垣間見られましたね。

 ピエロパン氏は、その他にも、このソアーヴェについて「料理との相性で
最も威力を発揮するワイン」という言い方をされています。

 極端な果実味を出さず、極端な強い香味を出さず、しかも酸が余韻を
 引っ張るほど強くない。

 かと言って、南のワインのように酸が鈍くなったり、後味に苦味を残したり
 しない。だから料理と相性が良くなる。ピエロパン氏はこの料理との相性が
 良いというソアーヴェを

 
「料理にスペースを与える」

 という表現をされています。

 これは、僕にとっても「目からウロコ」でした。とっても綺麗な表現です。

 そう、スペースを与えてあげるワインこそが料理に寄り添ってお互いを
高めることのできるワインなんです!

 そういう意味で、ピエロパンさんがおっしゃるように上質のソアーヴェ・クラッシコは
ワインとしての味わいもレベルの高いテイスターに充分評価されるべきワインであり
かつ料理との相性も優れている。

 特に魚介系ですね。貝類や甲殻類、白身のお魚をあっさりと仕上げた料理
ならソアーヴェ・クラッシコがもってこいです(^^)

 ご家庭でのちょっとリッチな食卓、気取りのない食卓での食前酒としても
活用できる、とってもフレンドリーなあなたのワインになること請け合いです!

 ←ピエロパン氏のソアヴェ・クラッシコ

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オススメ! ガルガーネガ 

  ピエロパン社のソアーヴェをご紹介

  ソアヴェ クラシコ  2003 ピエロパン ソアヴェ・クラッシコ 2003
 
 「ソアヴェはマズイ!」「ソアヴェは安物!」と思っている人はこれを飲んで
 ギャフンといわされて下さい。美しい酸とアルコールから来るほのかな甘みの
 ハーモニーを利けば、ソアーヴェがイタリア最良の一本であることが分かるでしょう。
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  ソアヴェ・クラシコ カルヴァリーノ 2002 ピエロパン ソアヴェ・クラッシコ ”カルヴァリーノ” 2002

  僕がもっとも評価するのはこのワインです。単なるフレッシュ&フルーティーのレベルを
  大きく越えた畑のポテンシャルを伝えるワインです。香り、味わい共にミネラルが豊富
  で、酸と一体化してワインの輪郭をくっきりと描いています。絶対にオススメです。
  上のソアヴェ・クラッシコと比較するとその力強さと優美さが良く分かります。

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  PIEROPAN ピエロパンSOAVE CLASSICO LA ROCCAソアヴェ・クラシコ・ラ・ロッカ 2002 ソアヴェ・クラッシコ ラ・ロッカ 2002

  ローマ時代からの畑で作られるガルガーネガを100%使用。フレンチオークでじっくり
  と熟成したもっともインターナショナルなテイストのソアーヴェです。果実はトロピカルで
  スラあり、熟成香としてのロースト香やバニラ香、ナッツ香が絢爛と出ています。この
  ワイナリーが非凡なのはそれでもミネラル香、ミネラルの味わいが決して果実味や
  熟成香に負けないヴォリュームを獲得しているところでしょう。

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  レチョート・ディ・ソアーヴェ レ・コロンバーレ 2000 ピエロパン (500ml) レチョート・ディ・ソアーヴェ レ・コロンバーレ 2000
  
  素晴らしいデザートワインですね。ブドウを約3ヶ月間陰干しにしてレーズン状態
  から醸造される極甘口のデザートワイン、またの名を「瞑想用ワイン」と申します。
  いわゆる「ソーテルヌ」系のトロトロとした味わい。ブルーチーズやウォッシュタイプ
  のチーズにはメラメラの相性です。焼き菓子との相性も抜群!ゆったりとした
  時間の流れの中で気持ちを優しく鎮めたいときに是非テイスティングしてください。

 
 その他のソアーヴェ・クラッシコ又はガルガーネガ
    ※優良ワイナリーは・・・「ジーニ」「イナーマ」
             「アンセルミ」(←ソアーヴェをいち早く脱退)

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