![]() イタリア土着ブドウ辞典 イタリアの代表的葡萄から超ローカルな土着葡萄まで、ご紹介していき ます。葡萄品種の特質を知ることによって、その土地の風景から、その 生産者の思い、ワインの味わいの世界までもが見えるようになります。 No.6 モンテプルチャーノ Montepulciano
◎ヴィーテ・イタリア高岡的見解 ![]() 2003年のヴィーテ・イタリア美食紀行で、バジリカータ州のマテーラに 滞在したときのこと。 宿泊したホテルからサッシ観光(世界遺産)にでかけようとしている 時にふと、道を隔てた薄暗い建物を覗くと上のような光景に出くわした。 葡萄の名前を聞くと、嬉しそうな顔で左のおっちゃんが 「モンテプルチャーノだよ」 と答えてくれた。これから自家製ワインになるべく、手動破砕機にかけ られる直前のモンテプルチャーノちゃんなのだった。 マテーラをご存知の人は多いだろうが、念のためにその有名な町並みを お目にかけよう。 ←こんなんです綺麗って言ったらいいのか汚いって言ったらいいのか・・・・(^^;) この洞窟住居群の中にも中世からワイン作りをしていた発酵槽が ある。今ではほとんどがなくなったか使用していない状態だが 紀元前から連綿と洞窟を掘り、そして家を張り巡らせてきたこの街で ワイン作りはとても盛んだったという。 洞窟住居内にあるワイン発酵槽(パルメント) 遺跡と化した住居跡を巡っていると、このパルメントをいたるところで 見ることが出来る。 いかに人々の生活の中でワインが不可欠なものであったかを 物語る風景の数々。 モンテプルチャーノはそういう街の中で、今でも「当たり前のように」 醸造されている葡萄だ。もちろん、その質は・・・・・・きっと・・・・・・・(^^;)。 モンテプルチャーノ種を語る上で絶対に欠かせないイタリア人がいる。 ジャーナリズムを嫌い近代醸造に背を向けてかたくなに自らの哲学に沿って モンテプルチャーノ・ダブルッツォを作り続ける孤高のイタリアワインの巨人 と言っていいでしょう。 そう、エドアルド・ヴァレンティーニ。 詳しくは、「本」のページの「イタリア 味の原点を求めて」をご覧下さい! こうした「恐ろしく個性的なイタリア人」によって醸造されているのも モンテプルチャーノ種なのです。 僕は、ヴァレンティーニのモンテプルチャーノ・ダブルッツォを数えるほどしか 飲んでいませんが(^^;)、一番最初にローマで飲んだ90年ヴィンテージの味は 忘れることが出来ません。 (こんなラベルだけど・・・これはモンテプルチャーノじゃない! ネットで探したけど全然なかった・・・つまり・・・ないっつうこと!?) 当時は95年だったのですでに収穫から5年の歳月が流れていた わけだけど、その時のモンテプルチャーノは、まるで5年前からタイムスリップ してきたような、信じられないほどイキイキしたみなぎるパワーを感じさせた。 ああ〜〜ん、モウ!! である(^^;)。 なんかこう・・・・超熟成タイプのワインを樽からいただいているような・・・ 「未完成交響曲」を大音量で聴いているような・・・・ (あの当時、それほどまでの濃縮感を持った濃厚なワインはイタリアワイン ではほとんどなかった。それも土着の田舎ワインモンテプルチャーノの レベルでは奇跡以外の何物でもなかっただろう) なにか不完全だけど、手がつけられないほどに神々しい何かが 漂っている・・・。「霊感」だろうか。 ヴァレンティーニのワインは、重くて、それでいて活力のある「霊感」が 漂っている。その時にそう感じた記憶が残っている。 モンテプルチャーノの潜在能力はまだまだこれから発揮されていくだろう と思う。 サンジョヴェーゼとよく似ていると思うけど、まだ全体像としてサンジョヴェーゼ よりも田舎臭く、野暮ったい。酸やタンニンのポテンシャルはまったく引けを とらないのに、洗練度に欠ける。 10年後のモンテプルチャーノを予想してみよう。 僕は、サンジョヴェーゼの上を走っているような気がする。 コストパフォーマンスなら今でも完全勝利だからね。 「スーパー〜〜」なんて名前のモンテプルチャーノがどんなに輩出されようとも マテーラのサッシでもモンテプルチャーノは造られ続けるだろう。 モンテプルチャーノという葡萄とモンテプルチャーノという村を混同しては いけませんよ! モンテプルチャーノ・ダブルッツォ ⇒ 葡萄品種&ワイン名(アブルッツォワイン) ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ ⇒ 村名(トスカーナワイン) そういえば、この二つの銘柄はお互いの名前からモンテプルチャーノを 消すように裁判で争っていると聞いたことがあります。 モンテプルチャーノ・ダブルッツォ側は「俺たちの方が、先にDOC取得したからな!」 ヴィーノ・ノービレの法は「俺たちの方が格上のDOCGだ!」とやり合っているそうな。 とあるワイナリー社長は「この裁判は永遠に終わんないよ!」と他人事のように 笑ってたっけ。 でも、最近モンテプルチャーノ・ダブルッツォのサブゾーンがDOCGに昇格したことを 受けて何か変化があるだろうか・・・・・・ないだろうね(^^;)。 トップへ ネッビオーロ アリアニコ サンジョヴェーゼ バルベーラ ドルチェット モンテプルチャーノ ガルガーネガ ヴェルディッキオ モスカート・ビアンコ |