イタリア土着ブドウ列伝
 
 イタリアの代表的葡萄から超ローカルな土着葡萄まで、ご紹介していき
 ます。葡萄品種の特質を知ることによって、その土地の風景から、その
 生産者の思い、ワインの味わいの世界までもが見えるようになります。


  No.10  プロセッコ  Prosecco

同義語: グレーラ、セルプリーナ、プロセッコ・バルディ
プロセッコ・トンド、プロセッコ・ルンゴ
歴史:多くの研究者がローマ時代からのブドウ品種でその歴史はリヴィア女帝時代に賞賛された有名な「プチーノ」と混同される。
特徴:中位から大き目の葉、五角形で楔形、三列葉で時に五列葉。葉の表面が暗色。
房は中ぐらいで長細く、翼を広げた形で粒と粒のあいだに
間隔がある。ピラミッド型。粒は中ぐらいで丸い。皮は蝋粉がしっかり付着し、色は黄色から黄金色、斑点が少しあり、薄く、まあまあ強い。
樹勢: 著しい
生産性:良から最高。コッリ・エルガーネイ地区では過剰なほど良い   
成熟: 10月上旬
    

◎「ワイン用葡萄ガイド」(ジャンシス・ロビンソン著)からの抜粋

イタリア北東部のフリウリ地域の成熟の遅い土着の品種。

人気のある軽く発泡性を持たせたこのブドウ品種名と同名の
ワインを造る。時々プロセッコ・ディ・コネリアーノ・ヴァルドッビ
アーデネとも呼ばれる。通常わずかに収斂性または苦味のある
後味がある。

プロセッコは、1990年代初期にイタリアで7000ヘクタールの地に
栽培されていた。

この品種は、非常に限られた範囲だが、アルゼンチンでも
知られている。
◎ヴェネト州のプロセッコ種を使用するDOCワイン「プロセッコ・ディ・コネリアーノ」「プロセッコ・ディ・ヴァルドッビアーデネ」そして、「スペリオーレ・ディ・カルティツェ」

◎ヴィーテ・イタリア高岡的見解


このワイン、イタリアでは「辛口スパークリングワイン」の代名詞的な
存在です
。銘柄が何であれ、辛口のスパークリングワインなら、

「あら、このプロセッコ、おいしいわね!」
「まずはプロセッコで乾杯しましょう!」

なんていう声がよく聞かれます。スーパーでもよく見かけるので
イタリア人の脳裏には「プロセッコ=辛口スパークリングワイン」が刷り込まれて
いることがわかります。



プロセッコ = イタリア北東部、ヴェネツィア近くの土着白葡萄の名前。

ディ = 英語で言うと 
OF に近い前置詞

コネリアーノ = 町の名前であり、その周辺に広がる丘陵地の名前でも
          ある。イタリア最古の醸造学校があり数あるイタリア醸造
          学校の中心的存在といえる。
          

  またこの地域の南西部の一部に「ヴァルドッビアーデネ丘陵」があり
  そこでできるプロセッコは「プロセッコ・ディ・ヴァルドッビアーデネ」。
  葡萄が両地域で生産された場合は
  「プロセッコ・ディ・コネリアーノ-ヴァルドッビアーデネ」と明記されます。

 (※「ヴァルドッビアデーネ」ではなく「ヴァルドッビアーデネ」です。
    地図上では、深緑がかった小さな部分。スペリオーレ・ディ・カルティッツェ
   
 superiore di cartizze と同じ部分です。)



このワイン、何が素晴らしいかというと「質と価格のバランス」
つまり、コストパフォーマンス!

ほとんどのものは2000円以下。そして、木目細やかな泡と
フルーティー感がすごく楽しめます。

「フルーティーなら、甘口なのか?甘口は勘弁してよ!」

というご意見をよく頂きますが、フルーティー=甘口ではありません。

で、変だと思われるでしょうが、フルーティーという言葉と「甘口」「辛口」
という表記には何の関係もありません。
   ↑   ↑
ここ、とっても大事です。


「甘口」「辛口」はワインの「残留糖度」のレベルを表しています。
「フルーティー」はまさに「香り」と「甘辛と酸のバランス」を表しています。


え?ちょっとむずかしい?


とにかく、まずは香りが「フルーティー」じゃなければ「甘口」であっても
フルーティーなワインではないということ。

「甘い」から「フルーティー」だと早合点してはいけません!!

「甘い」は単に舌の上の「甘さ」単体で感じること。

「フルーティー」は鼻と、口の中の「甘」「酸」のバランス、口の中で
感じられるフレーヴァーなど味わい全体で感じるものです。


で、このプロセッコ。心地よいキリリとした酸が特徴・・・・・・・・・


とは言い切れません。



色はうっす〜い麦わら色で緑色がはっきり見てとれるので
酸が強いワインかなと思うのですが、香ってみると、確かに
草の香りこそあれ、甘いリンゴや洋ナシを思わせますし、それほど
尖った酸を感じさせません。


また口に含んでも、酸は柔らか・・・・・。

もしそれだけのワインなら、とりたててここでご紹介することも
ないのです。


でも、このプロセッコはスパークリングなんです。
イタリア語ではスプマンテですね。
(もちろんスティルワイン=発泡していないワインもありますが、結構退屈です^^;)

そして、この何の変哲もないワインをスプマンテにしているところが
すごい発想だな!なんて僕は思ってしまうわけです。


スパークリングワインの代表格としてはシャンパーニュがありますが
あのワイン同様、ワインって、一度発酵させて放っておけば
大体、春の訪れと共にもう一度発酵して瓶の中で炭酸ガスが
生まれるわけですよね。

シャンパーニュの場合は産地が最北、酷寒の地域にあって
その厳しいワインの「すっぱさ」をプラスに転じるために瓶内で
二次発酵をして酸の複雑さ、エレガントさを楽しむワインに
育て上げた。

では、イタリアのプロセッコはどうか・・・・。

イタリア全国から見ると比較的冷涼な地域の北部ヴェネト地方とは
いえ、プロセッコは品種の個性としてそれほどの酸を持っている
わけではない。かといって酸を活かすために早々と収穫しては
香りのフルーティー感が出せません。葡萄として成熟させることは
不可欠なのです。

ならば炭酸ガスの力を借りて、ワインにエレガントさ、快活さを表現しよう!

炭酸ガスは酸を強調する働きがあります。
 ↑  ↑   ↑
ここもとっても大切ですよ!

この発想が、プロセッコをイタリア1の辛口スパークリングワイン産地に
育てる事になったのです。(あくまでも量的にです^^;)


フルーティーさがあって、かといって、出すぎもせず、料理と共に
爽やかにいただけるワイン・・・・それがプロセッコです。


プロセッコのメーカーは数多く存在すれど、基準点になる
メーカーはなんといっても「カルペネ・マルヴォルティ社」でしょう。

さっき、出てきたコネリアーノの醸造学校を創立したのが
カルペネ・マルヴォルティ創立者のアントニオ・カルペネですし
この人は、ピエモンテ州のガンチャと共にイタリアで初めて
スプマンテ作りを導入した人物として有名です。


「この夏はビールばっかりで・・・・・・」

みたいな人は、今すぐプロセッコを買って飲んでみてください。


また、シャンパーニュやフランチャコルタをデイリーワインにするには
ちょっと懐具合が・・・・・という方にもオススメです(^^;)。



では、料理との相性的に言うとどんなものが合うのでしょうか?

実験的に、このプロセッコと瓶内二次発酵(シャンパン方式)で有名な
フランチャコルタを、天ぷらにあわせたときのことをお話しましょう。

海老、イカ、そしてアスパラのフリット(天ぷら)の盛り合わせです。

そこでプロセッコと最高の相性を見せたのが、グリーンアスパラの
フリットでした。


確かに魚介系にも合うんですよ。やはり繊細な香味のフライには
プロセッコは最高です!

もちろんフランチャコルタも良い。でも、フランチャコルタは味わいがもっと
しっかりとして華やかな味わいなので、クリームを使った料理、あるいは
フリットでも鳥や豚を使ったものの方が近づき易いんです。

とにかくプロセッコは、フルーティーさが軽くてあまり
熟れたフルーツの香りがなくて、青っぽい草系の香りも
あったりで、緑の野菜や根菜系に抜群の相性ですね。

特にアスパラの香りとプロセッコのリンゴ系と草の香り
が混じった香りはすごく綺麗に口の中で重なって
またワインの酸味がフリット全体の甘みをフワッと
膨らませてくれる。

「レモンを絞ってさっぱり頂く」以上の快感があります!


だからレモンを絞らないで、そのまま塩をつけてプロセッコと
ともに頂くと最高に美味しい!!


一度試してみてください。


フリットの衣は比較的しっかりつけて衣とアスパラを
同時に楽しめるぐらいの比率にしたほうがより
プロセッコの泡の存在を引き出すでしょう!!

そういえば、グリーンではなくホワイト・アスパラって
イタリアではプロセッコの産地ヴェネトの特産品ですよね。

ふっくらとした大きなホワイトアスパラ。

オーブンで焼いたりリゾットにしたりしますが、
この
リゾットもプロセッコにとってもよく合う料理です。


あのお米のモコモコした感じがプロセッコの泡とよく
合うんですよ。

で、アスパラの香り。プロセッコの野菜香。

パルミッジャーノチーズで味を整えるとコクが出て
ワインの酸味と綺麗に合います。

あと、イタリアンにこだわらなければ、いろんなおやつの
スナック菓子。

これもプロセッコの友達です。

とにかくお気軽なワインなので、かっぱえびせんや(!)
最近よく出ている枝豆系スナック、これもプロセッコで
バッチリ合います!

ポテチもいいけど、ポテチならビールとでもOKですよね。

ビールの苦味とポテトのコゲ臭はよく合いますから。

イタリア本国でも、北イタリアのリストランテなどでは
朝からシェフがプロセッコを飲んで真っ赤な顔で
仕事している、なんてざららしいですね・・・(^^;)


プロセッコ持って公園行って、グビグビやるっちゅうのも
なかなか乙ですな!

ということで、同じ泡でもビールからプロセッコに代わると
料理との相性が楽しく考えられたり、またレジャーの風景も
ちょっぴりおしゃれな感じがする。

え?しない?

これが、アウトドアでフランチャコルタとかシャンパーニュに
するとちょっといやみな感じね!
⇒フランチャコルタとのつくりの違い&比較テイスティング

もちろん誰とどんなところで機会をセッティングするかにも
よるけど。

お気軽な楽しい席にはプロセッコがよく似合うと思います!

え?どっかで集まりましょうか?


いいですね!


どなたかご提案下さい(^^)。



オススメしたいプロセッコは以下の通り(写真をクリックするとショッピングもできます)



カルペネ・マルヴォルティ プロセッコ・ディ・コネリャーノ ブリュット(泡/白/辛口)750ml 
 
プロセッコ・ディ・コネリアーノ  カルペネ・マルヴォルティ社

 カルペネ・マルヴォルティ社。最大手であり、プロセッコの歴史の牽引者でもあり、その味わいの基準点にもなる
ワイナリーではないかと思います。プロセッコを極めたいあなたなら、このカルペネ・マルヴォルティの
プロセッコを標準にして飲み比べると良いとおもいます。香りのフルーツ度、泡の強さ、細やかさ・・・申し分ありません。


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ドルジアンプロセッコ・ディ・ヴァルドッビアデーネ・スペリオーレ・ディ・カルティッツェ 泡 

プロセッコ・ディ・ヴァルドッビアーデネ スペリオーレ・ディ・カルティッツェ
  ドルシアン社

 僕が今までテイスティングした中ではもっとも高級なプロセッコです(^^;)。「スペリオーレ・ディ・カルティッツェ」
は、地域限定で(地図参照)、しかも最低アルコール度がわずかにノーマルより高いという以外には
ほとんど取り得がありません(^^;)でも、このプロセッコは価値があります。果実味こそ
カルペネ・マルヴォルティと伯仲しますが、泡の木目の細やかさはプロセッコ最上級です。プロセッコ
ファンには是非とも味わっていただきたいプロセッコですね!


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姉妹でつくるソレッレ・ブロンカのスプマンテ♪プロセッコ・ディ・ヴァルドッビアディーネ・ブ...

 プロセッコ・ディ・ヴァルドッビアーデネ
  ソレッレ・ブロンカ社
 
 極めて美しいプロセッコです。フルーツと花の香り。ブロンカ姉妹が畑から醸造までコントロールして
いますから、やはり果実味が上々の出来ですね。一般的なプロセッコってどうしても炭酸ガス
の匂いが果実味に勝ったり、拮抗したりしてしまうのですが、やはり香りではこのワイナリーの
プロセッコが良いと思います。クリーンです。


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サチェット プロセッコスプマンテ エクストラ ドライ【イタリア】 
 プロセッコ  エクストラ・ドライ  サッケット社
 
 表記には「サチェット社」とありますが、「サッケット社」です。そして「2003年ヴィニイタリー
 プロセッコ部門第一位」とありますが、これはテレビで見かける
DHCの「第一位!」とか
 いうやつと大差はないので、気にしないで下さい。でも、コストパフォーマンスがあります。
 果実味に難点はありますが、泡のふくらみ、細やかさは素晴らしいです!


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 プロセッコ・ディ・ヴァルドッビアーデネ  ビソル社   ビソル社のサイト

 プロセッコに「クリュ」という概念を取り入れて醸造する先進ワイナリーです。
 全体的なレベルとしてもおそらくはトップに君臨するワイナリーですし、何はともあれ
 畑ごとにボトリングしている、その姿勢は今後のプロセッコ地区に良い影響を与え
 続けるに違いありません。


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