イタリア土着ブドウ列伝

 イタリアの代表的葡萄から超ローカルな土着葡萄まで、ご紹介していき
 ます。葡萄品種の特質を知ることによって、その土地の風景から、その
 生産者の思い、ワインの味わいの世界までもが見えるようになります。


  No.13  トレッビアーノ・ロマニョーロ  Trebbiano Romagnolo

同義語: トレッビアーノ・デッラ・フィアンマ、トレッビアーノ・ディ・ロマーニャ
歴史非常に古くからの葡萄品種でローマ時代にすでにロマーニャ地方で耕作されていた。すでにプリニウスの「ナトゥラリトゥス・ヒストリア」にも「トレブラヌム」として引用されている。この品種はエミリア・ロマーニャ地方で最も耕作される品種で、ラヴェンナ県で最大規模となる。この品種は数世紀の中で多くの研究題材となり、近年のクローン・セレクションによって3つの亜種が確認されている。
特徴:中位の葉、五角形の五列葉。葉の表面がくも膜のようになっていて暗い深緑。
房は中ぐらいから大型。ピラミッドのような円錐型。詰まっているかやや粒と粒の間が開いていて、翼を広げたような形。粒は中ぐらいで球形で皮が頑丈。色は黄色がかった緑色。時に軽く琥珀色で蝋粉が多い。
樹勢: 中ぐらいから良
生産性:大量。   
成熟: 10月初旬
    
◎「ワイン用葡萄ガイド」(ジャンシス・ロビンソン著)からの抜粋
Trebbiano
平凡なユニ・ブランに対するイタリアでの最も一般的名称で、群を抜いて
多く栽培されている白ブドウである。ワイン名のトレッビアーノと言う単語は
常に軽く酸のきいた、しかし興奮させられるような白ワインでないという
シグナルである。

この黄金色、琥珀色さえ呈する実をもつ品種は数多くの実をつけ、世界の
二大ワイン産出国であるフランスとイタリアでいずれも広く栽培されている。

それゆえ、たとえスペインのアイレンと、黒ブドウのガルナッチャがより広い
作付け面積を持つとしても、おそらくトレッビアーノが世界のいかなるブドウ
品種よりも多くのワインを作り出しているはずである。

イタリアでは、トレッビアーノはその様々な亜種が、サンジョヴェーゼよりも
さらに広域で栽培されている。他のどの品種(約80)よりも多くDOCワインに
登場し、おそらくイタリアの全DOC白ワインの3分の1以上に使用されている。

◎様々なトレッビアーノ

トレッビアーノ・トスカーノ ⇒ イタリア中南部

トレッビアーノ・ジャッロ ⇒ イタリア中南部

トレッビアーノ・ロマニョーロ ⇒ イタリア中北部

トレッビアーノ・ダブルッツォ ⇒ イタリア・アブルッツォ州

トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ ⇒ イタリア・ヴェネト州

トレッビアーノ・デッラ・フィアンマ ⇒ イタリア中北部

トレッビアーノ・ディ・ルガーナ
 ⇒ イタリア・ロンバルディア州


◎トレッビアーノ・ロマニョーロ種のイタリア分布図◎ヴィーテ・イタリア高岡的見解



この地域は実にビミョウなんです(^^;)

まずは北イタリアの地勢図を見てください。



 中央にドデカイ平野がありますね。これがポー平原。

 ポ〜・・・・

 変な名前ですがこれはこの平原の中央を横断している「ポー河」に由来して
 います。北のアルプス、南のアペニン両山脈からの川を集めてアドリア海に
 注いでいます。

 この平原の南東側がロマーニャ地方(Romagnaと読めます)、その他の
 ボローニャ周辺の平原地帯がエミリア地方です。




 この行政地図の境界を見ると分かりますが、州の南端一帯はアペニン山脈から
 の丘陵地帯、その他はすべて平原という事になります。

 野菜や果物などの栽培、または家畜産業、酪農は平野が有利ですのでこの
 エミリア・ロマーニャ州はイタリアで最も豊かな州の一つといえるのですが、ワイン
 に関して、とりわけ「質のワイン」に関しては平野は丘陵地に対して著しく質を
 落としますので事情が変わります。。

 丘陵地の方が平野よりはるかに太陽の光を葉がキャッチすることが出来るので
 光合成が進み、より果実を熟れさせることが出来ます。

 丘陵地の方が平野より水はけが良いので余計な水分でブドウが水ぶくれする
 こともありません。

 丘陵地の方が平野より土壌が肥沃でないので、樹勢をコントロールしやすくなります。
 (肥沃すぎると枝や葉を伸ばすエネルギーで房へのエネルギーを浪費してしまいます))

 ということで、トレッビアーノ・ディ・ロマーニャの生産地域のロマーニャ地方は南部の
 極一部の地域に良質のワインが生まれる
ことになります。

 あとは結構シャバシャバワインが多いです(^^;)

 この地方の北にはボスコ・エリチェオというDOCがありますが、70%までトレッビアーノ
 ロマニョーロが認められています。(僕は飲んだことがありません。赤のフォルターナ種
 というのには興味がそそられますが、白にワクワクさせるものはありません^^;)

 ロマーニャ地方でワクワクさせるものは、アルバーナ・ディ・ロマーニャですね。
 傑出したデザート・ワインがありますし、辛口ヴァージョンも近年果実味の豊かな
 シャープなワインが出ていますね。


 トレッビアーノ・ロマニョーロの唯一にして傑出した作品は

  トゥレ・モンティ トレビアーノ・ディ・ロマーニャ ヴィーニャ・デルリオ [2003] 白   トレ・モンティ社のトレッビアーノ・ディ・ロマーニャ

 ⇒ トレ・モンティ社のワイン



 この葡萄品種の特徴でもある「タネを噛み潰したような苦味」を極力排しながら、果実
 味と旨味のある酸を融合させた傑作だと思います。


 それ以外のトレッビアーノ・ロマニョーロワイン?


 ん〜〜〜、ちょっとオススメするのは難しいかも・・・(笑)。



 ⇒ トレッビアーノ・ディ・ロマーニャ


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